conomeal kitchen 株式会社ニチレイ

ユーザーの生活を変える
アプリ開発。株式会社ニチレイ 様、
株式会社アツラエ

conomeal kitchen 株式会社ニチレイ

複雑な調理工程を
いかにアプリに落とし込むか。

ニチレイの事業開発グループは、アツラエとの3日間のワークショップを経て、新サービスconomeal kitchenの目指すべきビジョンや価値を定義しました。サービス全体の構想が固まったことを受けて、アツラエのシステム開発チームは、アプリ開発に必要なシステム全体の設計(システムデザイン)に着手しました。
アプリ開発において最大の課題となったのは、献立を作り置きするための調理工程の複雑さでした。例えば、主菜や副菜などを組み合わせた献立を5日分作り置きするには、どのような作り方が効率的なのか。ひとつの食材でも、切ってから茹でる場合や、茹でてから切る場合などさまざまで、一人ひとりの好みに合わせて献立を提案し、それを分かりやすく効率的な手順(レシピ)で表示するのは至難の業でした。そして何より、ニチレイが手がけるからには、おいしくなければならない。システム開発の前に、まずは調理工程とレシピのデータ分解から検討する必要に迫られ、アツラエもシステム設計の枠を超えて、レシピの開発に協力。作り置きレシピの開発から始まる前例のないアプリ開発に挑みました。

conomeal kitchen 株式会社ニチレイ

システム設計の前に、
「料理の構造を設計」する。

作り置きレシピの開発にあたって、これまでの調理工程を分解して再整理し、手順の構造化に取り組みました。また、調理の工程を、作り置きとなる「ミールキット」と、食べる直前に仕上げる「当日仕上げ」に分け、それぞれ、切る、煮る、焼くなどの調理方法ごとに分け、効率よく作れるように仕分けしました。AIがさまざまな組み合わせで献立を提案できるように、ニチレイが持つ食の知見と、アツラエが持つシステム開発の知見を掛け合わせ、conomeal kitchenの核となる調理基盤を構築しました。
また、ユーザーの視点を重視し、単なる料理手順の構造化だけではなく、ユーザーが作ってみたいと思えるレシピとなるように、写真や手順の表示方法についても繰り返し検討を重ねました。さらにアプリの開発にあたって、アツラエは品質テストの重要性を指摘。第三者機関を利用した品質テストを提案し、テスト方法の計画から実施までを総合的にサポートしました。プログラムの不具合はもちろん、AIとの連携やロジックの整合性、調理工程を表示する際の画面遷移など、多角的かつ客観的な視点でのテストを繰り返し行い、アプリのリリース前に可能な限りクオリティと信頼性を高めることに注力しました。

conomeal kitchen 株式会社ニチレイ

経営陣も納得の、
高いユーザー評価を獲得。

調理手順の構造化とAIによる献立提案の実現によって、日々の献立を考える手間やストレスを省き、ユーザーに時間的な余裕を生み出すだけでなく、食材の無駄も極限まで減らすことができるようになりました。アプリとしてのクオリティの高さはユーザー調査の結果にも現れ、プロトタイプを用いたモニターアンケートではアプリへの共感度や革新性について90%以上のユーザーから高評価を獲得。conomeal kitchenが持つ価値や潜在能力の高さを示す結果となりました。この調査結果は、これまでアプリの開発事例がなく、事業化の判断には慎重な社内で意思決定のための後押しとなりました。そして、何よりも大きな成果となったのは、ニチレイが抱えていた課題に対する解決の糸口が見えたこと。B to B領域の扱いが多く、消費者との直接的な接点を求めていたニチレイにとって、ユーザーからの期待値が高いサービスの開発は、多くのユーザーとの接点となり、商品開発や新たなビジネス展開のための貴重なデータ基盤となります。ニチレイの「食のパーソナライズ化」への挑戦は始まったばかりですが、これまでにない可能性を秘めた期待値の高いサービスの創出となりました。

Voice
ニチレイ様からアツラエへのお声
株式会社ニチレイ 
技術戦略企画部 事業開発グループ
アシスタントリーダー 関屋 英理子 様

アツラエは、この先も
サービス開発には欠かせない存在です。

サービスのコンセプト設計から、UI/UXデザイン、そしてアプリの開発に至るまで、アツラエの皆さんがいなければ、このプロジェクトはどこかで頓挫していたかもしれないと思えるほど、アツラエさんの存在は大きいものでした。ニチレイでの私の仕事は、前例もなく、形もなく、考え方すらわからないことを、手探りをしながら考えなければならず、何の判断基準もない中で、アツラエさんに何度も相談し、私が判断できないことに関してはアツラエさんの判断を仰ぐこともありました。とにかく、何もないところから一緒にアイデアを出し、やり方から一緒に考えてくれる。同じ会社にいるよりも濃密なコミュニケーションができたと思います。
前段のサービスデザインも含めて、アツラエさんが担うモノづくりのプロデュースやイメージの可視化といった領域は、まだまだ本来の価値が伝わっていない分野なのかもしれません。しかし、私たちのような事業開発の仕事にとって、ITやデジタルの知見を持ちながら、サービスの核となるイメージを描き、それを実際の形にまで落とし込んでくれることは、とても価値あることだと思いますし、稀有な存在だと思います。
私たちニチレイは、今後も新規事業開発において試行錯誤を繰り返していくと思いますが、アツラエさんにはぜひとも引き続きご支援いただき、一緒に新しいビジネスを生み出していければと思っています。

SERVICE DESIGNconomeal kitchen

事業開発プロジェクト「conomeal(このみる)」のコンセプト設計からアプリ開発まで支援致しました。