WACOAL CARNET ワコールカルネ

顧客との関係を深める
ポータルアプリを開発。株式会社ワコール 様、
株式会社アツラエ

大手下着メーカーであるワコールでは、商品の購入客(会員)に対するアプローチや関係構築の方法を模索してきました。そのような中、顧客とのさらなる関係深化を図るべく、コミュニケーションのハブとなるスマホアプリの開発を計画。B to C向けアプリでも豊富な開発実績を持つアツラエ(旧ジェナ。以下同意)に白羽の矢が立ち、ワコールのポータルアプリ「WACOAL CARNET(カルネ)」の開発を行いました。

WACOAL CARNET ワコールカルネ

顧客とのコミュニケーション基盤の必要性。

ワコールでは、従来から直営の実店舗とウェブストアを展開し、購入客を会員として組織化していました。しかし、会員の顧客に対して個別のニーズに合わせた情報提供はできておらず、また下着という商品の特性上、再来店率が低く、顧客との関係深化に課題を抱えていました。そこで、ダイレクトマーケティング領域におけるデジタル戦略の一環として、2017年にマーケティングオートメーションを導入。ウェブのアクセス履歴やウェブストアでの購入履歴を元に、パーソナライズメールなどの送信やウェブストアでのコンテンツの出し分けなどが可能になりました。このような環境の整備に伴い、顧客とのコミュニケーションをより深め、実店舗への来店を促したり、購入体験の質を高めるためのプラットフォームとして、ワコールでは初となるネイティブアプリを開発することになりました。

WACOAL CARNET ワコールカルネ

じっくりと議論を重ねながら、
ミニマムに最速でのリリースを提案。

今回のアプリ開発は、ワコール社内の複数の部署を横断するプロジェクトだったこともあり、新しいテクノロジーを含めた様々な機能が検討されました。アツラエでは、ワコール様のアプリ開発に対する想いや構想を共有しながら、複数回に渡るディスカッションを実施して、アプリ開発の目的を明確化。リリースまでのスピードを最優先に、まずは機能を絞り込んでアプリを立ち上げ、その後、段階的にアップデート・機能拡張していく道筋を提案しました。
開発にあたってコンセプトとして示されたのは、ユーザーが自分の下着サイズを記録したり、日々の体型管理に役立つ「手帳(CARNET=フランス語で『手帳』の意味)」のような存在。特に20代・30代の女性客とのコミュニケーションの起点として、販促色を抑えながら、ユーザーが毎日触れたくなるような機能や情報をどう盛り込むかが、初期開発における大きなテーマとなりました。通常はワイヤーフレーム上で構成要素の提案を行い、開発内容を確定させた後にデザインの提案へと移りますが、今回はワイヤーフレームの提案とデザインの提案を同時に実施。開発を担当した株式会社ジェイエムエーシステムズ(JMAS)と連携を取りながら可能な限り開発期間の短縮を図り、ベースとなるアプリの開発を進めました。

WACOAL CARNET ワコールカルネ

ワコールの世界観とユーザビリティが
共存するデザイン。

全体のデザイン設計において追求したのは、上質で女性的なワコールの世界観を踏襲しつつ、特定のブランドイメージに偏らないような中立的なデザイン。ワコールでは、すでにウェブ上で様々なコンテンツを展開していたため、それらの情報をいかに再編集し、アプリに落とし込んでいくかがポイントとなりました。複数あるブランドそれぞれの個性や商品の魅力が引き立つように、色や書体、余白の設計などのディテールについても議論や提案を重ね、最適なバランスを模索しながら、ベースとなるフォーマットを構築しました。
併せて、アプリ自体が会員証として機能するようなUI/UXの設計にも注力。会員登録の簡略化をはじめ、下着のサイズや購入履歴、ポイントなどを記録する「手帳」としての役割とともに、店舗スタッフからのレコメンド情報など、ユーザーと実店舗やウェブストアをつなぐハブとしても機能するアプリを設計しました。中でも購入履歴の記録は、視認性の高いデザインも含めてユーザーからの評価が高く、以前に購入した商品とサイズをその場で確認できるようになったことで、実店舗に足を運びやすくなったという結果にもつながりました。
また、アプリの運用が始まったことで、ユーザー像がより鮮明になり、ターゲットを絞り込んだ精度の高いアップデートが可能に。データに基づいて、トップページのレイアウトや画面遷移などのチューニングを行うとともに、さらなる追加開発を実施しました。アツラエは、アプリを起点としたコミュニケーション施策のパートナーとして、今後も引き続きワコール様をサポートし続けていきます。

Voice
ワコール様からアツラエへのお声

WACOAL CARNET ワコールカルネ
株式会社ワコール 
ダイレクトマーケティング事業管理部
小売IT企画課長 永田 智子 様 ・ 
小売IT企画課 鎌田 文 様

全体最適をしながら、
細部のこだわりにも応えていただきました。

今回、キックオフからリリースまでの時間が限られていた中で、アツラエさんには要件定義のプロセスで多くの時間を取っていただいたことが、私たちにとって、非常に有意義だったと思います。何を目的として、どんなアプリを作るのか、当社として初めてのネイティブアプリ開発だったこともあり、社内でも様々な意見が出る中で、私たちの迷いも理解していただきながらそれを整理し、どんな機能に落とし込んでいくのか、他社の事例などを交えながらアドバイスをいただいたり、何度も議論をして方向性を定めていけたのは、とてもありがたかったです。
開発段階においても、アプリとしてこだわった方が良いポイントや、ウェブビューでも構わない箇所など、アプリとしての全体最適の視点から様々なアドバイスをいただきながら、実際の開発を進めることができました。特にデザイン面においては、私たちのこだわりが強く、細部に至るまで多くの要望を出しましたが、デザインの基本設計と矛盾する部分はしっかりと指摘していただき、全体のデザインとして整合性が取れるようにコントロールしていただきました。
リリース後も継続して関わっていただき、分析ツールなどを使いながら改善のポイントを洗い出し、2次開発も実施しました。アツラエさんには、今後も引き続きサポートいただき、ユーザーにとってさらに価値のあるアプリにしていきたいと考えております。

IN FIORE iPad App

株式会社アルビオン様がブランド展開を手がける「IN FIORE(インフィオレ)」の接客用アプリケーションを制作。